2018年 05月 25日
松本清張「張込み」を読む。 |
5月25日(金)。
松本清張「張込み」。
新潮文庫。わずか27頁の短編。
もう随分昔に一度読んでいたが、最近映画とテレビ版を見て、ちょっと気になったので再読。
この小説の見どころは、三年前に付き合っていた男が東京で殺人事件を起こし故郷の女に逢いに来るか、逢いに来たら女はどう言う行動を取るか?
女は別れた後、銀行員の後妻に入り継子3人を育てて平凡な無味乾燥な生活を送っている。
小説の出だしは映画と同じ長い汽車の旅から始まる。
そして一人の刑事が途中の駅で下りて女のところには刑事一人で張込むことになる。
映画はベテラン刑事と若い刑事が組になって張込みにあたる。
テレビ版は視聴者を惹きつける為に殺人事件のショッキングな映像から入った。
これはこれでアリだろう。
そして、若い刑事が一人で張り込む。これは原作通り。
小説は短編の為、映画の様な色んなエピソードはなく比較的早く女は男の誘いに応じて温泉場に出かけて行く。
映画では高峰秀子が、病んで青白い田村高廣の首に手を回してキスをしたり「私を連れて行って」などとせがむ。
松本清張の筆は〜あの疲れた様な、情熱を感じさせなかった女が燃えているのだった〜と書く。
結局、男は逮捕され女は温泉宿に一人取り残される。
刑事は女に声をかける。
〜今からバスで帰ればご主人が帰って来るまでに間に合いますよ〜。
刑事の目線で女の後ろ姿で終わる。
映画もテレビ版も原作を良く解釈して良く出来ている。
まあ、読んだのは比較ではない。
女はあの後家に何食わぬ顔して戻るだろう。
数時間前の男との燃える様な時間を隠して平然と卓につき団欒を過ごすだろう。
初めて読んだ50年前の印象そのまま「女は怖い」というより自分たちの平穏な日常は幾つもの嘘と秘密で成り立っているのだということだった。
松本清張「張込み」。
新潮文庫。わずか27頁の短編。
もう随分昔に一度読んでいたが、最近映画とテレビ版を見て、ちょっと気になったので再読。
この小説の見どころは、三年前に付き合っていた男が東京で殺人事件を起こし故郷の女に逢いに来るか、逢いに来たら女はどう言う行動を取るか?
女は別れた後、銀行員の後妻に入り継子3人を育てて平凡な無味乾燥な生活を送っている。
小説の出だしは映画と同じ長い汽車の旅から始まる。
そして一人の刑事が途中の駅で下りて女のところには刑事一人で張込むことになる。
映画はベテラン刑事と若い刑事が組になって張込みにあたる。
テレビ版は視聴者を惹きつける為に殺人事件のショッキングな映像から入った。
これはこれでアリだろう。
そして、若い刑事が一人で張り込む。これは原作通り。
小説は短編の為、映画の様な色んなエピソードはなく比較的早く女は男の誘いに応じて温泉場に出かけて行く。
映画では高峰秀子が、病んで青白い田村高廣の首に手を回してキスをしたり「私を連れて行って」などとせがむ。
松本清張の筆は〜あの疲れた様な、情熱を感じさせなかった女が燃えているのだった〜と書く。
結局、男は逮捕され女は温泉宿に一人取り残される。
刑事は女に声をかける。
〜今からバスで帰ればご主人が帰って来るまでに間に合いますよ〜。
刑事の目線で女の後ろ姿で終わる。
映画もテレビ版も原作を良く解釈して良く出来ている。
まあ、読んだのは比較ではない。
女はあの後家に何食わぬ顔して戻るだろう。
数時間前の男との燃える様な時間を隠して平然と卓につき団欒を過ごすだろう。
初めて読んだ50年前の印象そのまま「女は怖い」というより自分たちの平穏な日常は幾つもの嘘と秘密で成り立っているのだということだった。
by nenenene1234
| 2018-05-25 23:20